「令和6年度 第2回熱利用分科会(視察)」開催報告

令和6年度第2回熱利用分科会では、10月8日(火)に、山形県内2箇所の企業視察を実施しました。
視察地は、帯水層への蓄熱(Aquifer Thermal Energy Storage: ATES)を利用した効率的な空調システムを導入している日本地下水開発株式会社の本社社屋と、改良され高効率化されたHi-ATESシステムを導入し、ZEBを実現している日本環境科学株式会社を視察させていただきました。
視察においては随所で多くの質疑が交わされ、活発な視察の機会となりました。この場をお借りして、今回の視察にご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

今回の視察先・内容は以下の通りです。
【日本地下水開発本社社屋】
ATESでは、温熱井と冷熱井を組みあわせて使用します。夏季の冷房時には、冷熱井から揚水し冷房に使用。冷房により温度が上昇した地下水は温熱井に戻します。冬季の暖房には、逆に温熱井から揚水して暖房に使用し、温度の下がった地下水を冷熱井に戻します。このようにして帯水層に蓄熱することにより、季節をまたいで熱を空調に有効利用しています。

【日本環境科学の高効率ATES (Hi-ATES)】
日本環境科学社屋では、密閉式井戸と専用ヒートポンプにより、ATES冷暖房システムのコストダウンと冷暖房能力が強化されたHi-ATESシステムが利用されています。
Hi-ATESでは密閉式井戸により、地下水を余すことなく帯水層に戻すことを可能にしています。また、地下水を直接使用できる新型のヒートポンプを使用することによりシステムの簡素化、効率の向上を実現しています。
その他に、夏季の冷房はヒートポンプを使用しないフリークーリング冷房を実施して使用電力量を削減。冬季の暖房需要が多いため、真空管式太陽熱温水器を使用して給湯用と夏季の蓄熱に使用。このような創エネ、省エネの取組によりZEBを達成しています。

※福島県再エネ研究会会員の方は、会員専用ページにて下記がご覧いただけます。
・「分科会開催報告」にて視察の各種写真等